2018.07.26(木)
ドローン規制と法律をわかりやすく解説!疑問と不安を解消しよう

最近では、空からの撮影やダムなどの点検でドローンを使用する方が増えてきました。ドローンは物流業界などの分野で今後の活躍が期待されています。
ドローンに関する規制や法律は、ここ数年で改正されました。ドローンを安心安全に使用するためには、規制や法律を理解しておくことが大切です。
今回はドローン初心者に向けて、ドローンの規制や法律に関することを簡単にご紹介していきますので、ぜひご一読ください。
目次
ドローン規制の基礎!改正航空法を知ろう
ドローンを使用するためには、国が定めているドローンの規制を確認することが大切です。重量が200g以上のドローンは航空法の対象となります。
航空法とは、国土交通省が定めている航空機を安全に運用するための空に関するルールです。近年の法改正でドローンを使用してはいけない飛行禁止空域や時間帯などのルールが決められました。
規制されている場所や時間帯にドローンを利用する場合は、地方航空局や空港に許可を得る必要があります。具体的な規制内容は次のとおりです。
・空港の周辺
・地上から150メートル以上の上空
・人口が密集している場所(DID地区)
※ただし空港周辺や150メートル以上の上空に関しては200g未満のドローンでも許可申請が必要です。
・夜間の飛行
・目視ができない範囲の飛行
・火薬やガソリンなどの危険物の輸送
・人や物、建物から30メートル未満の距離での飛行
・ドローンから物を落下させる
・イベント会場などの上空での飛行
200g未満のドローンでも法律によっては対象となるので、確認する必要があります。

200g以下のドローンでも対象となる規制
ドローンの規制は航空法だけではありません。趣味で利用することが多いトイドローンは200g未満のため航空法の対象とはなりませんが、それ以外にもドローン関連の法律は多く存在します。
小型無人機等飛行禁止法
警察庁が定めた法律です。この法律では国会議事堂など、国の重要施設や外国の公館などの周辺上空が飛行禁止としています。
電波法
ドローンを使用するときは電波を利用して操作を行います。電波による混線や、電波妨害を防ぐために、電波法によってルールが設けられています。電波法の規制に関しては「「技適マーク」をチェック!ドローンと電波法の関係について学ぼう」で解説していますので、合わせて読んでみてください。
河川法
ドローンを飛ばす場所としてもよく耳にする河川敷でも、河川法という法律で規制されることがあります。河川法では主に河川の安全が損なわれる行為を禁止としており、ドローンの飛行がこれに該当することがあります。利用者が多い河川敷では、注意喚起の看板などに書かれている管理者に確認しましょう。
公園条例
航空法などで国土交通省が定めている規制のほかに、地方自治体などの独自の条例によって使用を禁止されている場所があります。公園などでドローンを使用する際は、条例で禁止されていないかをあらかじめ確認する必要があります。
プライバシー・肖像権
ドローンを飛ばすだけなら問題ありませんが、空撮となるとプライバシーの権利や肖像権にも気をつける必要があります。飛行場所によっては風景や自分自身だけでなく、他人を撮影してしまうかもしれません。無断で撮影すると肖像権を侵害してしまうほか、場所によってはプライバシーの権利にも抵触するおそれがあります。

5GHz帯を使用するFPV機種に必要な免許
ドローンの多くのは2.4GHzもしくは5GHz帯のどちらかを使用しています。5GHz帯の電波はテレビの中継などの産業でも多く使われているので、使用するためには免許が必要です。
5GHz帯の電波を使用するための免許は2つあります。使用できる電波などの違いはありますが、「ドローンを趣味で楽しむ場合」と「ドローンを仕事で活用する場合」にわけて考えるとよいでしょう。
第四級アマチュア無線技士
ドローンを趣味で楽しむ場合は第四級アマチュア無線技士を取得しましょう。近年流行しているドローンの楽しみ方のひとつであるFPV機能を利用する場合にアマチュア無線士の免許が必要になります。
FPVは自分がドローンに乗って操縦しているような感覚を体験できる機能です。代表的な使用例として、ドローンレースがあります。ドローンを遠くまで飛ばすことや、高画質の映像の送受信が必要なため、強力な5GHz帯の電波を利用する必要があります。
第三級陸上特殊無線技士
ドローンを仕事で活用する場合は第三級陸上特殊無線技士の免許が必要です。陸上特殊無線士の資格は、タクシー無線などの産業として利用される無線電波を利用するために必要となります。
注意すべきこととして、ドローンの5GHz帯には5.8GHzと5.7GHzがありますが、陸上特殊無線技士では5.8GHz帯は対応していません。必ず自分のドローンが利用する電波を確認しましょう。
ドローンの法律や免許の取得方法が知りたい方は「ドローンに必要?「陸上特殊無線技士」と「アマチュア無線」について」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ドローン規制に違反した場合の罰則
実際にドローンに関する法律に違反をした場合は罰金が課され、最高額は約50万円にもなります。
ドローンを使用する方が増えることにより、規制を理解せずに書類送検や逮捕されることも増えてきました。また、ドローンの操作ミスや突然の不具合により、墜落による事件や事故も多発しています。そのほかには民家に墜落した事例もあります。
ドローン関連の規制は2015年からあるため、「規制を知らなかった」というのは言い訳になりません。ドローンを安全に楽しく使用するために、必ず法律や規制を守りましょう。
法律などの規制についてもっと詳しく学びたい人はドローンスクールに通ってみるのもよいでしょう。スクールで正しい法律や操縦技術を学ぶことは、ドローンの安全な利用につながります。法令違反や墜落の危険を避け、自分自身を守るためにもスクールに通うことも検討してみてはいかがでしょうか。
法律以外にも気をつけることはたくさんある
さまざまなドローンに関する法律を理解して、ドローンを使用してみようと思っても、天候や電波状況によっては使用できないことがあります。ドローンを使用する際はドローンの規制のほかにも、さまざまな点に注意する必要があるのです。
天候
ドローンの多くは防水機能が備わっていません。雨天時に利用すると故障の原因となるので、飛行はひかえましょう。
また、風が強い日などはドローンの操作がうまくできず、墜落する危険性もあるため注意が必要です。砂ほこりなどが機体の内部に入り込み、不具合のおそれもあります。
障害物
ドローンを飛ばす際は、ドローンが目視できる場所で使用することが大切です。障害物などが多くある場所では、うまく操作できずにぶつかってしまうこともあります。障害物がない場所や少ない場所で飛行させた方がよいでしょう。
電波状況
電子機器が密集している場所や近くに電波塔がある場合は、電波の混線によってドローンをうまく操作することができず墜落や紛失させてしまうことがあります。また電線に接触して操作不能になり、墜落する事故も多いので注意してください。
ドローンを使用する場所
他人の私有地近くでドローンを使用するときや、他の私有地上空を通過するときは必ず許可をとってドローンを使用しましょう。ドローンはカメラが搭載されていることがあるため、許可を得てない場所へ侵入した際には、プライバシーや所有権などの侵害に当たる危険性があります。

まとめ
空からの撮影や設備の点検などで、ドローンを使う機会は今後も増えてくるといわれています。ドローンの使用はさまざまな規制が設けられているので、ドローンを使用する際は必ず確認することが必要です。
航空法やさまざまな規制に違反をしてしまうと、罰金が課されてしまいます。また、ドローンの墜落による事件や事故を起こしてしまった場合は、逮捕されてしまうこともあるので飛行時には十分注意しましょう。
ドローンに関する規制を守り、安全に利用することが重要です。便利で楽しいだけでなく、危険が潜んでいることも忘れてはいけません。今後さまざまな分野で役に立つものとして期待されているドローンの規制を理解して安心安全にドローンを使用しましょう。
