2019.04.23(火)
ドローンの航空法について学ぼう! 安全のための飛行規制について

近年では知名度が上がってきたドローンは、ビジネスの場で活躍するだけではなく、趣味で所有する人も増えてきています。空を自由に飛び回るイメージがあるドローンですが、どこでも自由に飛ばし放題というわけではありません。
ドローンの飛行にも、明確な法律やルールが定められているのです。この記事では、ドローンの航空法について解説しています。知らず知らずのうちに法律違反をおこさないためにも、ドローン飛行に関する法律やルールについてしっかり把握しておきましょう。
目次
航空法規制の対象は200g以上のドローン
ドローンは、大きく分けて200g未満の物と200g以上の物があります。200g未満の物は一般的に、ホビードローンやトイドローンと呼ばれおり、航空法の対象外となっています。
その一方で、200g以上のドローンは「小型無人航空機」として扱われており航空法の対象となります。この「小型無人航空機」を飛行させる際には、航空法によりさまざまな規制がかかっているのです。航空法を違反してしまうと、50万円以下の罰金が科せられるうえに前科までついてしまいます。
次の章からは、ドローンが航空法でどんな規制がかけられているのか解説していきます。ドローンの航空法をしっかりと学んで法令違反をしないようにしましょう。
ドローンの航空法規制【飛行規制エリア】
ドローンを飛ばす際にもっとも気を付けるべきなのが、飛行規制エリアです。知らずに飛ばして違反になってしまうこともあるのでしっかりと学んでいきましょう。
・空港などの周辺
空港の周辺には「制限表面」というエリアが設けられています。制限表面内では、航空機との接触事故を防ぐために、ドローンの飛行が全面的に規制されています。
・DID地区(人口集中地区)
DID地区とは人口が密集した地域であり、ドローンの飛行が規制されています。このDID地区は、国土地理院地図を確認するといいでしょう。マップ上の赤いエリアがDID地区となっていてわかりやすくなっています。
・150m以上の高さ
ドローンは、地表から数えて150mまでが飛行可能エリアとして定められています。建築物の屋上からドローンを飛ばす場合は屋上からではなく150mではなく、地表から150mまでとなるため注意しましょう。しかし、山からドローンを飛行させる場合は山自体が地表として扱われるため、山の高さ+150mまでが飛行可能エリアとなります。

ドローンの航空法規制【飛行ルール】
航空法にはエリアの規制だけではなく、飛行させる際のルールがあります。事故を防ぐためにも大事なルールになるのでしっかりと把握しておきましょう。
・日中に飛行させる
ドローンの航空法では飛行させる時間帯も制限があります。基本的に飛行する時間帯は「日中」と定められています。日中とは具体的に言うと「日の出から日没までの時間帯」を指します。しかし地域や季節によってこの時間帯は異なるため注意が必要です。
・目視範囲内で飛行させる
ドローンの飛行中には、自分の目で本体を目視できている必要があります。つまり、本体が見えなくなる距離までドローンを飛ばしたり、障害物にドローンが隠れてしまうような状況はNGです。また、双眼鏡やカメラ越しでの確認、操縦者以外の第三者の確認などは目視には含まれないため注意しましょう。
・人や物から30m以上の距離を保つ
ドローンを飛行させる際は人や物30m以上の距離を保つ必要があります。この「物」というのは建築物や車だけでなく、船や飛行機、電柱、信号機、街頭なども該当します。しかし、ドローン操縦者や監視員などにはこの距離の制限が適用されません。
・イベント上空では飛行させない
イベントがおこなわれている上空での飛行は、イベントの規模などを問わずに禁止されています。例として、コンサートやスポーツ大会、学校の行事、お祭り、野外バザーなどが該当します。
・危険物を輸送しない
宅配用のドローンが開発されるなど、運搬にドローンを導入する流れになっています。しかし運搬できるものにも規制があります。火薬類、高圧ガス、引火性液体、可燃物質類、酸化性物質類、腐食性物質、凶器、放射性物質のドローン運搬は規制されています。
・ドローンから物を落下させない
ドローンから物を落とすのは基本的に禁止されています。種まきや農薬散布などの農業利用の場合でも許可申請が必要です。例外として宅配物を届けるのは物の落下ではなく、設置として扱われるのでドローンの航空法で規制されることはありません。
規制されている条件でドローンを飛ばすためには
ドローンの飛行を規制されている条件下でも、申請を出すことで飛行ができる場合があります。しかし申請には、いくつか条件を満たす必要があります。申請するための条件は、次のとおりです。
- GPSや補助センサー無しでドローン離発着やホバーリング、左右移動などの基本操作ができること
- 10時間以上の操縦経験があること
- ドローン航空法や電波法などのドローンに関係する知識を持ち合わせていること
また、申請が通った場合でも飛行ルールはしっかり守らなければなりません。ドローンの事故は一歩間違えれば人命にもかかわる危険性があるので、その危険性をしっかり理解したうえで慎重に操作しましょう。
イベント上空の飛行ルール改正について
以前までは、イベント上空の飛行に明確なルールは設けられていませんでした。しかし、2017年に岐阜県のイベント会場でドローン墜落事故が発生しました。この事故で観客が怪我を負い、その結果ドローンの航空法が改正されることになりました。この章では、改正後のイベント上空の飛行ルールについて解説していきます。
・立入禁止区画の規定
イベントがおこなわれるエリアでは、ドローンの飛行高度に応じて「立入禁止区画」が定められます。この立入禁止区画内は、第三者がドローン飛行中に入ってはいけない区画になっています。この区画がしっかり確保できない場合は、イベント上空でのドローン飛行はおこなえません。詳細な距離などについては、国土交通省のホームページを参考にしてみてください。
・プロペラガードの装着義務
プロペラガードとは、ドローンのプロベラがほかの物に接触するのを防いでくれるカバーです。ドローンが万が一墜落しても、プロペラと人体の接触を防ぎ被害を最小限に抑えるために必須となります。
・風速5m以上は飛行禁止
ドローンは小さい機体なので、風からの影響を受けやすいです。イベント上空で機体がバランスを崩してしまうと大きな事故につながりかねないので、風速5m以上の飛行は禁止されています。
また、風速が5m未満であっても、機体の飛行速度(秒速)との合計が「秒速7m以上」を超える場合も飛行が禁止となります。

注意点はまだまだある!しっかり学ぶならドローンスクールへ
今回はドローンと航空法について解説していきました。しかし、航空法以外にも電波法、道路交通法、小型無人機等飛行禁止法などのさまざまな法律がかかわってくるため、ドローンの飛行は一筋縄ではいきません。
法律は日々変わるため、独学ですべて学ぶのはとても難しいです。そのため、ドローンスクールに通うのも1つの手かもしれません。ドローンスクールではドローンにかかわる法律だけではなく、ドローンの操作方法も教えてもらえます。これからビジネスや趣味でドローンを操作してみたいという方は、ぜひとも検討してみてください。
まとめ
200g以上のドローンには航空法が適応され、飛行にさまざまな規制が加わります。ドローンの航空法に違反すると50万円以下の罰金になるので注意が必要です。飛行規制エリアや飛行ルールをしっかり守り、安全なドローン飛行を心がけてください。
ドローンの墜落事故は人命にかかわるおそれもあります。2017年の岐阜県であったドローン墜落事故も、一歩間違えれば大惨事になりかねませんでした。ドローンの危険性をしっかり理解したうえで、ドローンを慎重に操作しましょう。
また、ドローンの操作には航空法以外にもさまざまな法律がかかわってきます。ドローンの操作方法や法律を自分一人で学ぶのが難しいと感じた場合は、ドローンスクールに通うのも1つの手です。
