2019.03.28(木)
ドローン撮影のコツを伝授!初心者におすすめの機種と練習方法も紹介

空撮は最も知られているドローンの活用方法だといっても過言ではありません。個人的に空撮を楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、ドローンで撮影を楽しむためには知っておくべき知識が多くあります。とくに、ドローンに関する法規制を知らなければ、法律に違反してしまうおそれもあるのです。
そこで、今回はドローンでの撮影の際に注意すべきことについてお話ししていきます。また、空撮におすすめのドローンも紹介しますので、これから空撮を楽しみたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
さまざまなシーンで活躍するドローン撮影
ドローンは、現在では非常に多くの産業において活躍しています。ここでは、ドローンを活用している代表的な産業を紹介します。
測量
測量のうち、航空写真を用いた業務にドローンが使われています。上空からの写真をドローンで撮影し、その写真を解析することで測量をおこなう方法です。
この方法は、従来は小型航空機を用いておこなわれていました。ドローンを用いた方法は従来と比べてコストが安く、また業務を簡単にできるという利点があります。ただし、ドローンは小型航空機よりもスピードが遅いため、広範囲の測量には向きません。
点検
高いところにある施設などを点検する場合、従来は足場などを組む必要がありました。しかし、ドローンであれば足場がなくても高所の点検ができます。
また、ドローンにはカメラだけでなく、赤外線センサーなどの装備も搭載可能です。これによって、さまざまな点検方法を使い分けることができるのです。
農業
農業においてドローンが活用されているのは、農薬散布です。人間の手で散布することと比べて、作業時間を大きく短縮できます。
ドローンによる農薬散布では、作業者が農薬を浴びてしまう事故も減らせます。新たな農業機械のひとつとして今後も活躍していくでしょう。
空撮
ドローンによる撮影では、ドラマやニュースなどの業務から個人の思い出作りまで、さまざまな映像を撮影できます。趣味でドローンを使う人のなかには、この空撮を楽しむ方も多いでしょう。
おすすめの撮影用ドローン5つと選び方のポイント
ドローンでの撮影を始める際にまず悩ましいのが、どのようなドローンを用意するのかということです。撮影用ドローンは、トイドローンと呼ばれる小型なものからハイエンドモデルまで多岐にわたります。おすすめのドローンをいくつか紹介しますので、購入するドローンにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
Holy Stone HS160

まず初心者の方におすすめなのがHS160です。このドローンのおすすめポイントは、そのはじめやすさです。
ドローンの価格はピンからキリまでありますが、このドローンは1万円しない程度ととてもお求めやすい価格の機体といえます。また、折り畳みが可能で重量も非常に軽いため、持ち運びも簡単です。それでありながら離着陸がワンボタンでできるなど機体制御もしっかりとできるので、入門向けドローンに最適だといえるでしょう。
DJI&Ryze Tello

このドローンもHS160と同様に小型・低価格のトイドローンと呼ばれるものです。HS160よりは少々お高めです。
HS160と同じく、比較的安く持ち運びも簡単でありながら性能も十分にあります。このTello独自の利点は、飛行プログラムを自分で組むことができるということです。ドローンの機体のみならず、プログラミングにも興味があるという方には向いているといえます。
Parrot ANAFI

トイドローンでは物足りなくなってきた人は、より上位のドローンに手を出してみるといいでしょう。まずおすすめなのがこちらのANAFIです。
トイドローンには搭載されていなかったジンバルという機構によって、撮影した映像にブレが入ってしまうことを防ぎます。また、搭載されているカメラは4K映像の撮影が可能なので、非常に美しい映像を撮ることができるのです。
とくにこのANAFIは価格が10万円未満でありながら、画質の劣化がないロスレスズームや特殊な撮影技法であるドリーズームなどを楽しむことができます。本格的な撮影用ドローンとして申し分ない働きをしてくれることでしょう。
DJI MAVIC AIR

価格は10万円前後と安くはありませんが、本格的なドローン撮影を楽しむならおすすめなのがこのMAVIC AIRです。ANAFIと同様、ジンバルや4Kカメラが搭載されています。
ANAFIと比べたときのMAVIC AIRの利点は、安定性の高さです。ビジョンポジショニングセンサーや赤外線センサーはANAFIよりも多く備え、さらに機体前後に障害物検知用のセンサーまで備えています。空中に静止して映像を撮影したい場面などでは大きく活躍してくれるはずです。
DJI Phantom 4 PRO V2.0

上記のドローンでも満足できない方や、どうせ空撮をするなら最高の機種を使いたいという方におすすめなのが、このPhantom 4 PRO V2.0です。個人の扱う撮影用ドローンとしてはハイエンドモデルであるといえます。
飛行時間や静音性など、さまざまな点で従来機を凌駕する性質を持っているため、プロ顔負けの空撮を楽しむことができるでしょう。ただし、その分価格も高くなっており、ドローンそのものが初心者だという方にはあまりおすすめできません。ある程度操縦などに慣れてから購入を検討してみるとよいでしょう。
操縦練習にトイドローンをおすすめする理由
初心者の方は、いきなりハイエンドモデルドローンで撮影をおこなうのではなく、まずはトイドローンから慣れていくとよいでしょう。これにはいくつかの理由があります。
まず、トイドローンは価格が安いことが多く、購入しやすいという点が挙げられます。初心者のうちは操縦ミスなどでドローンを墜落させてしまうことも多いでしょうから、買い替えやすい安価な機体が向いているのです。
そもそもトイドローンは機体重量がとても軽いため、墜落しても壊れにくいのです。そういった点でも、初心者の練習には最適といえます。
墜落時の被害が小さいという点以外にも、トイドローンには初心者の練習に向いている理由があります。それは、機体制御が難しいということです。
高価なドローンは数々のセンサーや自動制御によって比較的簡単に操縦できます。しかし、安価なトイドローンにはそのような機能がついているものは少なく、ただ空中に静止するだけでも一苦労です。また、機体重量が軽いため、ちょっとした風でもすぐにバランスを崩してしまいます。
機体性能に頼れないトイドローンをしっかりと制御できるようになれば、より上位のドローンであってもしっかりと操縦することができるでしょう。

ドローン撮影で注意するべき法律
撮影用のドローンを手に入れても、いつでもどこでも自由にドローン撮影を楽しんでいいわけではありません。ドローンの飛行は、さまざまな法律によって規制されているのです。ドローンを飛ばす前に、まずはドローンに関する法律について知っておきましょう。
航空法
ドローンの飛行を規制する最も代表的な法律が、この航空法です。実際に罰金を科された人も多くいる法規制なので、十分注意しましょう。
航空法で規制されている条件は非常に多岐にわたります。詳しくは以下のサイトを参考にしてください。
「改正航空法ってなに?ドローンに関する正しい知識を覚えよう!」
電波法
一部のドローンでは、ドローンの操縦やドローンで撮影した映像の伝達に周波数が5.6GHz~5.8GHz帯の電波を使っています。じつはこの周波数帯の電波を無資格で使うことは、電波法という法律で禁じられています。
電波法について、詳しくは以下のサイトを参考にしてください。
「「技適マーク」をチェック!ドローンと電波法の関係について学ぼう」
小型無人機等飛行禁止法
国会議事堂や首相官邸など、とくに重要な施設周辺でのドローン使用を制限しているのがこの法律です。国際会議などがあった場合、その会場周辺が飛行禁止区域に指定されることもあります。
詳しくは以下のサイトを参考にしてください。
「知らなかったでは済まされない!小型無人機等飛行禁止法について解説」
道路交通法
一見関係ないようにも思えますが、ドローンが道路を横切ったり、あるいは道路上で離発着をしたりする際には、道路交通法にも気を付けなければいけません。不安がある場合は、飛行場所近辺の警察署に飛行させても良いか確認を取るようにしましょう。
河川法
航空法での規制に当たらない場所として、河川敷などでドローンを飛ばそうとする人もいます。そんなときに気を付けたいのがこの河川法です。河川でドローンを飛ばすときは、その河川を管轄する事務所に許可を取るようにしてください。
ドローン撮影は構図が重要!空撮テクニック
映画のように美しい映像をドローンで撮影するためには、単にドローンを操縦できるというだけではいけません。基本的な操縦技術を身に着けたら、次は空撮テクニックを押さえておきましょう。
俯瞰
上空から真下を撮影するような構図です。ドローンならではの構図だといえるでしょう。撮影するときだけでなく、ドローンの真下に障害物がないか確認するときなどにも便利です。

チルトアップ・チルトダウン
ドローンについているカメラの角度を上向き・下向きに動かすことです。機体を移動させながらチルトアップ・チルトダウンを使いこなせれば、より迫力のある映像が撮影できます。とくに俯瞰撮影と組み合わせるといいかもしれません。
ノーズインサークル
撮影対象をカメラにとらえながら、その周りを360度周回するという技法です。ドローンを使った空撮ではよく見る構図のひとつです。ドローンによっては、自動制御によってノーズインサークルができるものもあります。
他にもさまざまなテクニックがありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
こんな場合はドローン撮影を中止しよう
さまざまな角度からさまざまな撮影が可能なドローンですが、悪天候には非常に弱いです。天気が悪いときには無理に飛ばさないようにしましょう。とくに、雨や風には要注意です。
雨のなかでドローンを飛ばすと、ドローンの心臓部ともいえる基盤などが浸水し、破損してしまうおそれがあります。ドローンのなかには防水性をうたっているものもありますが、基本的には雨天時の飛行はおすすめできません。
また、強風時のドローン飛行も非常に危険です。ドローンの姿勢制御が困難になり、最悪の場合機体をロストしてしまうおそれがあります。
さらに、風の強い日には砂などが舞っていることもあります。これらの細かな粉じんがドローンの機体内部に侵入すると故障につながってしまうことがあるのです。総じて、悪天候時にはドローン撮影は中止したほうがいいといえるでしょう。
高度な撮影はプロにおまかせ!ドローン撮影の費用相場
ドローン撮影の魅力のひとつは、個人でも手軽にできることです。しかし、高度な撮影をするためには、高価な機材や高い技術を身に着ける必要があります。そこで考えられるのが、プロに依頼することです。
プロへ依頼した場合、自分で撮影するよりもより美しい映像を撮影できるでしょう。また、業者によってはドローンで撮影した映像の編集までやってくれる場合もあります。
気になる撮影費用ですが、使用する機体や撮影場所によって大きく変わります。市販のドローンを使って数万円で撮影してくれる場合から、業務用の大型ドローンを使って数十万円で撮影をする場合まであるようです。
本格的にドローン撮影を学ぶならスクールへ
高度な撮影はプロに依頼したほうがいいかもしれませんが、やはり自分でドローン撮影ができたほうが楽しいでしょう。ドローン撮影の技術を磨くためには、ドローンスクールの受講をおすすめします。
ドローンスクールでは操縦技術を学ぶだけでなく、ドローンに関する法律などの知識を身に着けることもできます。法律で規制されている場所で飛ぶために必要な許可申請の方法なども学べるので、自分で空撮をおこないたい方にはとても便利です。
また、ドローンスクールによっては修了時にドローンライセンスを取得できる場合もあります。ライセンスを持っていると許可申請時の書類が一部免除されることがあるなどのメリットがあるので、ぜひ取得しておきましょう。
まとめ
ドローンはさまざまな産業で活躍しています。そのなかでもドローンによる撮影は、個人でも楽しむことができるものです。空撮に使用できるドローンは、トイドローンからハイエンドモデルまで多くのものがあります。自分にあった機種を選びましょう。難しい場合は当コラムも参考にしてください。
ドローンの練習をする場合は、安価かつ持ち運びのしやすいトイドローンがおすすめです。操縦難易度が高いので、トイドローンでの操縦ができるようになれば、上位機種でも操縦しやすいでしょう。
ドローンを操縦する際には、法規制に注意してください。さまざまな法律によってドローンは規制されているので、しっかりと確認しましょう。
ドローン撮影を始める際は、空撮の構図にも気を使ってみましょう。基本的なテクニックを身に着けることができれば、より高度な撮影が可能になるはずです。自分では難しい撮影をしたい場合は、プロに依頼するのもひとつの手です。費用はその撮影方法などによって大きく前後するようですので、目的にあった内容で依頼してください。
自分で本格的なドローン撮影をしたいなら、ドローンスクールを受講しましょう。とくにドローンライセンスを取得しておくと許可申請の際に便利です。
