2019.03.28(木)
外壁塗装をドローンで?!塗装業界のニューフェイスを紹介します!

外壁や屋根の塗装にはさまざまな手間がかかります。たとえば、高所での作業がある場合、足場を組まなければいけません。これでは、費用も時間もかかってしまいます。
そこでいま注目されているのが、ドローンを塗装に活用することです。塗装前の調査だけでなく、実際にドローンで塗装をおこなうこともできるといいます。
今回は、そんな塗装用ドローンについてお話ししていきます。塗装を依頼したいけど費用や時間が気になる……という方や、ドローンを塗装作業に導入しようと考えている方は、ぜひご一読ください。
塗装業界に革命!ドローンの利活用
外壁や屋根の塗装をする場合、いきなりペンキやスプレーで塗り始めることはほとんどありません。まずは、外壁などの劣化具合を診断する必要があります。その際、基本的には目視によって診断がおこなわれます。診断の結果、塗装が必要だと判断された場合、実際の塗装に移ることになるのです。
ドローンは、まずこの塗装前の診断において活躍します。高性能カメラを搭載したドローンによって、目視での確認と同様に壁面などを診断することができるのです。赤外線カメラなどを用いれば、人間による目視確認よりも診断の精度をあげることができるでしょう。
また、モニターなどにドローンで撮影している映像を映すことで、屋根などの状況をリアルタイムに確認することもできます。依頼人と業者とが一緒に確認することで、情報共有も容易にできるのです。
ドローンにできることは診断だけではありません。その後の塗装も、ドローンを使っておこなえるのではないかと考えられています。ドローンによる塗装はまだ実用化にはいたっていませんが、すでに実証作業がおこなわれている段階です。将来的には、診断から塗装までドローンによってできるようになるかもしれません。
足場が不要?!ドローン塗装のメリット
ドローンを塗装作業に用いることには、さまざまなメリットがあります。もっとも大きな利点は、足場を組まなくても高所作業が可能だということでしょう。
足場を組むには時間も費用もかかります。ドローンを使えば、この作業をなくすことができるのです。したがって、従来の方法より短期間かつ低コストで塗装作業をおこなえます。
従来の方法では、塗装作業をするうえで、足場を組むことが困難な場面もあったでしょう。しかし、ドローンであれば敷地が狭かったり、入り組んでいたりする場所でも高所作業できます。
さらに、ドローンを塗装に活用することで、人間が高所作業をおこなわなくて済むようになります。これによって、作業員が高所から落下してしまうという事故を防ぐことができます。作業員が立ち入ることで屋根を傷つけてしまうという事態も避けられるでしょう。

ドローン塗装は課題も多い
ドローンによる塗装作業には多くのメリットがありますが、それと同時に多くの課題も存在しています。ここでは、ドローン塗装が抱える課題について解説していきます。
塗装をするうえで気をつけなければいけないことのひとつが、塗料の飛散です。塗料が飛散することで、本来は塗装しない場所にも塗料が付着してしまいます。
この飛散を防ぐためには、塗装しないところをビニールなどで覆う養生という作業をおこなうのが一般的です。また、同時に足場に飛散防止用のネットを張っていきます。しかし、ドローンにこの養生作業をおこなうのは難しく、足場も使用しないため飛散防止ネットも設置できません。そのため、ドローンで塗装する際には、どのように塗料の飛散を防止するのか、ということがひとつの課題となっています。
また、ドローンの積載量にも課題があります。ドローンにはどのくらいの重量まで積めるのかを示す積載量というものが決まっており、これを超える重量のものを搭載することはできません。ドローンによる塗装をおこなうためには、塗料を補充するホースや吹き付けるためのスプレーなど多くのものを装備する必要があります。このとき、ドローンの積載量を超えないようにしなければいけないため、利用可能な状況が限られてしまうのです。
積載量によって制限されるのは、主に作業可能な高度です。ドローンによる塗装では、塗料や電力を地上からホースによって送っています。ホースは長くなればなるほど重くなっていくので、より高いところで作業するためには重いホースを持って飛ぶ必要があるのです。
ドローン塗装に使用される機種を紹介
ドローンによる塗装は発展途上ではありますが、すでにいくつかの塗装用ドローンが出てきています。今後、塗装作業に使用されそうなドローンを紹介していきます。
Paint Copter
Disney Researchによって開発された、塗装用ドローンです。このドローンの最大の特徴は、凹凸のある壁であっても塗装が可能だということです。
平らな壁に塗装をするのとは違い、凹凸のある壁への塗装では3次元的な制御をしなければなりません。Paint Copterではこれを可能にするために、まず塗装対象をスキャンして3Dモデルを作り出します。そして、この3Dモデルをもとにドローンの飛行を制御することで、3次元的な塗装を実現しているのです。
Worker Bee
フロリダのベンチャー企業であるApellixの開発したドローンです。塗装だけでなく、窓や外壁などの洗浄もおこなえます。
塗装をする際には、その前に塗装対象の汚れを落とす必要があります。塗装する対象が汚れたままだと、吹き付けた塗料などがはがれやすくなってしまうからです。Worker Beeであれば、この塗装と清掃のどちらもおこなうことができます。
Phantom4
このドローンは塗装用のものではありません。本来は、主に空撮などに用いられています。しかし、その高い画像処理能力は、外壁や屋根の診断において活用できるのです。
Phantom4に搭載されているカメラは4Kに対応しており、非常に高画質な画像や動画の撮影が可能です。また、それらの映像を手元のモニターにリアルタイムに映しだすこともできます。
塗装ではなく診断だけをおこなうのであれば、十分検討できるドローンといえるでしょう。上記2機種と違い、すでに実用化され販売されているドローンであるため、入手も容易です。
導入に向けてドローンについて学ぼう
ドローン塗装を導入するに際して、ドローンについて知っておくことは非常に大切です。たとえば、ドローンに関する規制を知らなければ、知らず知らずのうちに違法な行為をしてしまうかもしれません。
また、ドローンの操縦技術を身につけることも必要です。ドローンで塗装している最中の操縦ミスは、依頼人の家を傷つけるなど大きな事故につながってしまうでしょう。
これらの知識や操縦技術を身につけるためにも、ドローンスクールの受講をおすすめします。スクールによっては産業用ドローンを対象にしたコースを開講しているところもあるので、自分にあったものを受講してください。
一部のドローンスクールは、修了することでドローンライセンスを取得できます。自身の知識や技術を簡単に証明できるので、ドローンによるビジネスをしたい方は取得しておいて損はないでしょう。

まとめ
現在、ドローンによる塗装が注目されています。足場を組まずに高所作業ができるので、塗装作業にかかる費用や時間を削減できると考えられているのです。
ただし、塗装用ドローンには課題もあります。それらの課題を乗り越えるべく、さまざまな塗装用ドローンが開発されていっています。まだ実用化こそされていませんが、近い将来には塗装用ドローンが一般的に使われるようになるかもしれません。
ドローンを塗装に使いたいならば、ドローンに関する知識や操縦技術などを身につける必要があるでしょう。その際には、ドローンスクールの受講がおすすめです。
