2019.02.07(木)
5.8GHz帯ドローンでFPVを楽しもう!必要な申請や免許について解説します

ドローンが無線状態で通信をおこなうことができるのは、電波を使用しているためです。ドローンで使用される周波数帯はおもに2種類ありますが、なかでも5.8 GHzの周波数帯は、免許が必要になるなどいくつかの注意点があります。
このコラムではドローンで5.8GHzの周波数帯を使用するケースや、5.8GHzの電波を使用するときに必要な免許などについて紹介します。これからドローンの活用を視野にいれている方は、ぜひご参考ください。
目次
5.8GHz帯って?ドローンに使用される周波数
ドローンで使用されている周波数には、おもに2種類あります。それは2.4 GHzと5.8 GHzです。日本では2.4 GHzのドローンが多く出回っており、5.8 GHzのドローンは一部で使用されています。それぞれどういった特徴のある周波数かを解説します。
2.4 GHz
この周波数帯は遠距離の通信にも適しているため、ドローンだけでなくWi-FiやBluetoothにも使用されています。ドローン以外の機器に使用されているということもあり、操縦時にほかの機器と電波が混線してしまうことがあるようです。そのため、2.4 GHzでドローンを操縦するときには、周辺に電波の混線がないか確認しておくと、操縦を滞りなくおこなうことができるでしょう。
5.8 GHz
この周波数帯は、電波法によって使用が制限されています。理由は高速道路のETCシステムなどに使用されているからです。電波の混線を避けるために、日本では基本的に使用が禁止されています。そのため、5.8 GHzの周波数帯を使用するには、特定の免許を取得する必要があるのです。免許については3章でご紹介します。
5.8GHz帯を使用するドローンの種類と楽しみ方
ドローンで5.8 GHzに対応しているものには、FPVドローンが多いです。FPVドローンは、ドローンに搭載されたカメラからの映像をゴーグルやモニターで見ながら操縦できる機種です。これにより、ドローンの視点を体感できます。このFVPドローンからの映像をゴーグルなどに送信するときに、5.8 GHzの周波数帯が使用されます。
FPVドローンは、FPVドローンレースなどでよく使われています。ドローンの視点でスピードを競うFPVドローンレースでは、まるで自分が本当に飛んでいるかのような感覚を楽しめるでしょう。
この章では5.8GHzに対応したドローンを紹介します。おもにFPVドローンレース用の機体になりますが、初心者向けのものやカスタム可能なものなど、バラエティ豊かです。
ドローンの種類

FPVドローンレース向けの機種です。初心者にもおすすめで、比較的小さなサイズの機体となっています。2,500kvのモーターを搭載しており、パワフルな動きをすることが特徴です。暗視カメラも搭載されており、暗い場所でも練習をすることが可能です。

軽量ながら速度も比較的速いことが特徴で、速さは最大で時速45kmにもなります。視野の広いワイドレンズを採用しており、臨場感のある操作をおこなうことが可能です。また容量の大きい750mAhのバッテリーを2個搭載しているので、約18分間の飛行ができます。

こちらもレース用のドローンです。上級者向けのドローンで、飛行時の速さを重視したものになります。自分でカスタムすることもあると思いますが、この機体では熱の発散を効率的にできるようにカスタムすることもできます。
5.8GHz帯の使用に必要な免許と手続き
ドローンで5.8GHzの電波帯を使用するときには、「第4級以上のアマチュア無線従事者免許」と「無線局の開局手続き」が必要です。ここではその手続き方法を紹介します。
第4級アマチュア無線従事者免許
この資格を取るには、2つの方法があります。ひとつは、日本無線協会が開催する試験に合格する方法です。試験は東京では毎月開催されており、当日直接会場へ行って受けることもできます。
一般的に、第4級アマチュア無線従事者免許の合格率はおよそ70%といわれています。過去問なども発売されているので、それらを活用して試験にのぞみましょう。
もうひとつの方法は、規定の養成課程を修了することです。日本アマチュア無線振興協会(JARD)では講習会をおこなっており、第4級アマチュア無線従事者に必要な知識を得ることができます。
第4級アマチュア無線従事者の講習にかかる期間は2日です。受講料は約2万円かかり、養成課程が終わったあとの試験で合格すると免許証をもらうことができます。第4級アマチュア無線従事者免許は国家資格なので、免許証は身分証明としても使用することができます。
無線局の開局手続き
無線局を開局するためには、申請が必要です。提出書類の審査で問題がなければ、開局できます。個人で登録する場合は、以下の流れになります。
指定の書類を提出する必要があります。申請書に開局の目的や開局する場所を明記して提出してください。提出先は地域の総合通信局です。
開局する場所の確認や書類の審査がおこなわれます。書類の記載項目に関しては、その記載に信ぴょう性があるのかなどが審査されます。
審査で問題がなければ、登録状が交付されます。登録されてからの有効期間は、5年となっているのでは、期限が切れた状態でドローンを飛行させないように注意しましょう。
そのほか5.8GHz帯ドローンを使用する際の注意点
資格や免許のほかにも注意するべきことがあります。5.8GHz帯ドローンを購入するときには、「技術基準適合証明」がついているのかを確認する必要があります。
技術基準適合証明は、通称「技適マーク」とも呼ばれるものです。技適マークは電波法で定められている規則にのっとっている製品であることを証明するマークになります。
国内で販売される無線機器には、技適マークが取り付けられていることがほとんどですが、海外で販売されているドローンにはついていないことがあります。技適マークがついていないドローンを使用すると、電波法違反になることがあるので注意が必要です。
技適マークがついていないまま使用し、公共の電波に危害を及ぼした場合は「5年以下の懲役又は250万円以下の罰金」が科せられることがあります。
もし、手持ちの5.8GHz帯ドローンに技適マークがついてない場合は、使用せずに地域の総合通信局へ問い合わせるようにしましょう。
また、技適マークがついているドローンの場合は、無線開局手続きが簡単にできるようになります。スムーズに5.8GHz帯のドローンを使用するためにも、必ず技適マークがついているものを使用するようにしましょう。
まとめ
ドローンは2.4GHz帯の電波を使用するものがほとんどですが、一部の機種では5.8GHzの電波帯を使用するものがあります。FPVのドローンレースなどでは5.8GHz帯ドローンがよく使用されています。
5.8GHz帯のドローンを使用するときには第4級アマチュア無線従事者免許と無線局の開局手続きが必要となります。第4級アマチュア無線従事者免許は、試験を受ける方法と講習会を修了する方法の2つの選択肢があるので、自分にあったほうを選ぶとよいでしょう。無線局の開局手続きの申請は、地域の総合通信局でおこなってください。
ドローンを選ぶときは、技適マークがついているドローンを選ぶようにしましょう。技適マークがついていないドローンを使用すると、電波法違反になり罰金が科せられることがあります。
FPVのレースに興味がある方は、操縦技術を磨く必要があります。ドローンスクールでは操縦技術のほかに、電波法などの知識も学ぶことができるので利用してみてはいかがでしょうか。
