2018.12.21(金)
鳥のような「Parrot Disco」とは?飛ばし方など特徴を紹介

ドローンは多くの企業から販売されており、基本的にはマルチコプターのタイプに該当します。しかし、ほかの商品とは一線を画している、パロット社の「Parrot Disco」というドローンがあります。
「鳥みたい」「飛行機のようだ」といわれ、人気が広がりつつあるParrot Discoは、一体どのような機体なのでしょうか。このコラムでは、鳥のようなドローン「Parrot Disco」について解説します。興味のある方はぜひご一読ください。
目次
まるで鳥!固定翼ドローン「Parrot Disco」
Parrot Discoは、ほかのドローンとは少し形が違います。従来のドローンはマルチコプターといって、本体から4方向にプロペラがついている形状でした。しかし、Parrot Discoは本体の側面に翼があり、鳥や飛行機を想起させるような形状です。
似たような見た目の機体が多いなかで、形状が大きく違うParrot Discoは印象的で珍しいドローンといえます。Parrot Discoには本体の後部にプロペラが1つだけついており、プロペラ回転による推進力で飛行します。
プロペラが少なくなったために、飛行時間が短くなったのではないかと考える方もいるでしょう。しかし、Parrot Discoは最大で約45分間、飛行させることができるのです。従来のマルチコプタータイプのドローンの飛行時間(平均20~30分程度)と比べて、長く飛行できるようになっています。
このドローンは、ドローンの大きな特徴のひとつであるFPV機能を使用して、操縦することができます。FPVとは「First Person View」の略で、意味は「一人称視点」です。ドローンを目視で確認しながら飛ばすのではなく、搭載したカメラの撮影映像をもとに操縦します。FPV機能で機体を操縦し、高速で飛行させれば、自分が鳥になったようなフライト体験ができるでしょう。
ほかにもFreeFlight Proという専用のアプリを使えば、操縦者が決めたエリア外での飛行を制限できます。十分な飛行時間やFPV機能、飛行エリアの制限によって、初心者から上級者までの幅広い方がParrot Discoを安全に楽しめるのではないでしょうか。

フリスビーのように投げる!Parrot Discoの離陸方法
前述したようにParrot Discoは、本体の後部についているプロペラの回転を推進力として飛びます。では、機体の離着陸はどのようにおこなわれるのでしょうか。
Parrot Discoの離陸は、フリスビーのように投げて飛ばします。飛ばす前にプロペラを回転させておくところが特徴的です。
着陸はボタンを操作すると機体が自動でおこないます。ただし着陸時には100m程度のランディング距離(着陸距離)が必要です。ランディング距離を短くしたい場合は、機体が向かい風を受ける状態にすることがポイントです。
飛行時のスピードが速いことやホバリングができない形状のため、通常のドローンを飛ばす以上に広いスペースが必要になります。飛行させる前に周辺の確認をおこない、ドローン本体と周囲の安全を確保しましょう。
産業用シリーズ「Parrot Disco-Pro AG」とは
Parrot Discoには産業用に開発された「Parrot Disco-Pro AG」という上位機種があります。重量は約780gで、通常のParrot Disco(約750g)よりも少し重いです。しかし、両機種ともほぼ同じ大きさになっています。機体の飛行時間を比較してみると、Parrot Discoが約45分程度、一方のParrot Disco-Pro AGは、約30分程度になっています。
また通常のParrot Discoとは違い、Parrot Disco-Pro AGはプロポ(コントローラ)とのやりとりで使用する周波数が5GHz帯を活用できます。強力な周波数を活用すると電波が安定しやすく、操縦に支障が出にくくなるのです。Parrot Skycontroller 2という専用プロポを活用すると、最大2kmまでの距離で操作が可能です。
産業用であるParrot Disco-Pro AGは、通常のParrot Discoでは取り付けられない「スペクトラルセンサー」をつけることができます。スペクトラルセンサーは、人ではとらえられない赤外線を測定できる高性能センサーです。
ほかにも、専用のアプリで自動フライトプラン作成やAIRINOV FIRST +で農地のデータ管理ができます。これらの専門的な作業が簡単にできるのがParrot Disco-Pro AGの特徴といえるでしょう。
Parrot Disco-Pro AGの主な活用方法
Parrot Disco-Pro AGは農業で活用する目的で開発されており、Parrot Disco-Pro AGを使うと農作物をデジタルに管理できるようになります。
機体に取り付けたスペクトラルセンサーによって光量を測定できます。農作物が吸収し反射した光量を測定し、健康状態をデータ化して確認できるのです。前述した専用のアプリを活用すると、農地にあわせた最適なフライトプランを自動で作成できます。そのため、測定も自動飛行・撮影により安全に効率よくおこなうことが可能です。
農業では、農作物の品質が農家の経験不足に左右されることもあるでしょう。また高齢化や就業者の減少によって、農業界では人手不足の問題が深刻化しています。ドローンを活用したデジタル管理で、人手不足の問題や経験から身につくノウハウをサポートできるのです。

まとめ
パロット社のParrot Discoは一般的なドローンとは異なった形態で、鳥や飛行機のようだといわれています。フリスビーのように投げて離陸するため、従来の機体にはなかった特徴的な飛行方法です。
農業目的で開発されたParrot Disco-Pro AGや専用アプリの活用で、農業をデジタル管理できます。農作物の状態を目に見えるデータにできるため、人手や経験値の不足分をサポートしてくれます。
プライベートではなく仕事でドローンを使うのであれば、高い操縦技術が必要です。質の高い操縦技術を身につけるためには、ドローンスクールを活用してみるのもひとつの手段です。お近くのスクールを調べてみてはいかがでしょうか。
