2018.10.30(火)
FPV飛行は申請が必要?!目視外飛行の申請方法と必要な免許について

自分が、ドローンに乗り込んで操縦しているような感覚を味わえるFirst Person View、通称「FPV」をご存知でしょうか。最近ではドローンレースなど、モニターやゴーグルを活用して多くの人がFPVを楽しんでいます。
「FPVを体験してみたい」「コントローラーについているモニターを見ながらの操作もFPVになる?」というような悩みはありませんか。ほかにも、「FPVには申請が必要って聞いたけど、やり方がわからない」というかたも、いるのではないでしょうか。
今回は、ドローンのFPVの悩みを解決できるようなお話をします。ドローンレースに必要な資格や、目視外飛行について悩んでいるかたも、必見の内容になっています。ぜひ参考にしてください。
目次
FPV飛行には申請が必要!航空法規制をおさらい
ドローンをFPVで楽しむ前に、確認しておくべきことがあります。ドローンのFPVは、「目視外飛行」という航空法で禁じられた飛行に該当します。航空法の規制対象は200g以上のドローンになりますが、200g未満でも危険ですので注意が必要です。
目視外飛行は、ドローンが自分の視界にない状態で飛行させるため、周りの状況を十分に把握できず障害物や人に衝突するおそれがある危険性があります。自動車のカーナビを見続けながらの運転が違反となるのと同じです。
そのため、目視外飛行は事前に申請をして許可を得なくてはいけません。申請せずに飛行させた場合は違反飛行となり「50万円以下の罰金」が科せられてしまいます。FPVは申請してから楽しみましょう。
目視外飛行以外にも、以下の飛行方法を取る場合には申請・許可が必要となります。飛行前には、目的の飛行方法が違反飛行にならないか確認するようにしてください。
・目視外飛行
・夜間の飛行
・人や物から30m未満の距離での飛行
・人が多く集まる場所の上空での飛行
・爆発物や劇薬など危険物の輸送
・物体を投下する

目視飛行と目視外飛行の事例を詳しく紹介
FPVに申請が必要な理由は、目視外飛行に該当するためです。では「目視飛行と目視外飛行の区別がわからない……」「モニターを見ただけで目視外飛行になるの?」という方に向けて、目視飛行と目視外飛行の事例を紹介します。
目視飛行にあたるケース
最近販売されているドローンは、操縦器であるプロポに「モニターがついているもの」や「スマートフォンやタブレットを装着できるもの」が増えています。これらの機能を楽しむこともFPVのひとつになりますが、モニターを注視せず、飛行しているドローンを直接確認する操縦であれば、目視飛行になります。つまりドローンを見ながら操縦することが目視飛行です。
目視外飛行にあたるケース
モニターやスマートフォンなどを見続けながらの操縦は、目視外飛行に該当します。ドローンレースなどで見かけるゴーグル(に映された映像)によるFPVを楽しむ場合も、映像を通してドローンを操縦しているので目視外飛行に該当します。ほかにも、ドローンが視界に入ってない状況での操縦は目視外飛行ですので、障害物が多い場所などで飛行させる場合も目視外飛行に該当するケースがあります。

目視外飛行の申請はどうやる?申請方法と承認要件
「FPVが目視外飛行になることはわかったが、申請方法がわからない」では、せっかくのFPVを楽しむことができません。ドローンを楽しむためにも、FPVの申請について、方法や申請先、承認要件を確認しましょう。
【申請方法】
●期日
申請する場合は官庁が業務をおこなう平日の日数を基準に、遅くとも飛行予定日より10日前には申請しなければなりません。申請時に不備があった場合に修正する期間も考えると、少なくとも2週間前、できれば余裕をもって1ヶ月前くらいを目安にするのがよいでしょう。
●方法
申請方法は「インターネット」もしくは「書面での持参や郵送」があります。書面による場合は、国土交通省がインターネットなどを通じて配布している書類に記入します。どちらの申請方法でも、提出期日はかわりません。
【提出先】
目視外飛行による申請は、地方航空局が提出先となります。地方航空局への提出が困難な場合は、空港事務所を経由して提出することもできます。
【承認要件】
●ドローン本体
自動操縦機能、機体のカメラなどで様子を確認できる機能を搭載している必要があります。ほかにも、不具合が起きた場合に、自動で帰還できる機能や、電波不良時には空中で位置を保てるホバリング機能などが必要です。また、地上でドローンの位置や状況を把握できることも必要です。
●操縦者
モニターを見ながら、自分の思い通りの飛行ができる技量が必要になります。不測の事態にも対応できるように、飛行経路周辺で安全な離着陸ができなければなりません。
ほかにも、目視外飛行は危険をともなうので、周囲の安全確認や技量の向上練習では、「補助者」が必要になります。補助者なしで操縦する場合は、場所の制限がより厳しくなるなどの付加条件があります。

周波数によっては「アマチュア無線技士」と「開局申請」が必要
FPVを楽しむ場合は、目視外飛行による申請が必要とお話しました。しかし、FPVには申請のほかに「資格」が必要になることがあります。ここでは、FPVで必要となる資格について、お話しします。
FPVの楽しみかたにドローンレースがあります。レースでは、ゴーグルを装着し、ドローンが撮影した映像をもとに、操縦します。また通常の飛行に比べて、強力な周波数をプロポとやり取りします。そのため電波法により規制されている周波数・電波強度を用いるドローンの場合には「アマチュア無線技士」など電波を扱う資格が必要となります。例えば「5.8GHz帯」で稼働するドローンなどです。
さらに「無線局の開局」が必要になります。これは周波数使用の申請で、無線技士の資格を前提にしたものとなります。手続きは、目視外飛行の申請と同じように、インターネットか書面による申請手続きで行えます。
モニターでFPVを楽しむ場合はもちろんですが、FPV機能が搭載されていないドローンでも、使用される周波数によっては、アマチュア無線の資格が必要になります。ドローン購入時には、周波数を確認するようにしましょう。
難しい場合はドローンスクールに通うのもアリ!
目視外飛行に限らず、飛行申請する場合には、ドローンについての知識・経験の飛行実績が必要です。FPVの申請時には、目視外での操縦練習も積む必要があります。ドローンの知識や経験は独学で身につける方も多いのです。
しかし「操縦練習はどこでやればいいの?」「航空法などの知識がわからない」などの悩みがある方は、ドローンスクールに通ってみるのはどうでしょうか。
ドローンスクールでは、各自の目的にあったコースを選択できるものが多いです。自分の目的に合わせた内容を受講して、申請時に必要な要件を学べます。資格について詳しく知りたい、資格を取得したい、どの資格を取って何を申請すればよいか悩んでいる、という方は、ドローンスクールに通うことも手段のひとつではないでしょうか。
まとめ
ドローンレースなどのFPVで申請が必要なことを中心にお話ししてきました。申請時に必要な要件や方法などに悩んでいた方には、少しは役に立ったのではないでしょうか。またモニターつきのドローンを持っている方も、どのような操縦方法が目視外飛行に該当するのかお話ししましたので、参考にしてください。
FPVを楽しむ場合は、通常の操作技術以上に知識・経験が必要になります。独学で経験を積む・知識を学ぶだけでは不安だという方は、ドローンスクールに通うことも検討してみてはいかがでしょうか。
